今の会社で「何か違う」と、一度でも思ったことがある――。
転職サイトに登録しても興味のない求人ばかり、自分で探そうにも何から始めればいいか分からない。そのモヤモヤを抱えたまま、なんとなく毎日が過ぎていく。
そんな人ほど危ないのが、焦って目の前の求人に飛びつき、入社してから後悔する転職です。
1万人以上のキャリア相談に応えてきた中村浩一郎氏は『幸せな転職』で、後悔しない転職の鍵は「他人の物差しを捨て、自分の本音で選ぶこと」だと言います。その第一歩となる”棚卸し”を読み解きます。
『幸せな転職』とは|
転職とは”会社を変えること”ではない
本書がまず崩すのは、「転職=ただ勤め先を変えること」という狭い常識です。本質的には、転職とは生き方を選び直すこと。どんな仕事をするかだけでなく、自分を人生の真ん中に置き、暮らし全体を組み替える機会だと捉え直します。
だからこそ著者は、人生を「仕事・お金・学び・人間関係・家庭・趣味・健康・貢献」の8つの領域に分けて考えることを勧めます。年収だけを上げても、毎日残業で家庭や健康を犠牲にしては、幸せな転職とは言えないからです。
もう一つ著者が強調するのが、SNSやランキングといった”他人の物差し”に流されない、ということ。みんなが転職しているから、有名企業だから――そんな外の基準で選ぶと、本当に自分が欲しかったものが置き去りになります。
では、自分の本音をどう掘り起こすのか。本書が勧める棚卸しと「最高の未来メモ」の手順を見ていきましょう。
【要約】後悔しない転職の前に
――人生8領域の棚卸しと”最高の未来メモ”
まず、人生を構成する8つの領域を眺め、今の自分が何を最優先にしたいのかを確かめます。年齢やライフステージで、優先順位は当然変わります。
そのうえで、求人サイトを開く前に「最高の未来メモ」を作るのが本書の核心です。外の情報に飛びつく前に、まず自分の本音を言葉にしておく。手順はシンプルです。
- 叶えたいこと・解決したいこと・欲しいものを全部書き出す。「年収◯◯万円」「残業なしで子どもと夕食」「この分野の専門家になる」など、自分の欲望に絶対に蓋をせず、ありったけ書き殴る。
- その夢を、絶対に笑わない人に話してみる。否定してくる相手には話さない。心理的に安全な場で口に出すことで、「自分はこういう未来を望んでいいんだ」と許可が下りる。
- 書き出した中から、絶対に叶えたい「トップ3」を決める。このトップ3が、他人の物差しに流されないための、自分だけの判断軸(コンパス)になる。
覚えておきたい一言求人を探す前に、自分の本音を棚卸しする。8領域で優先順位を確かめ、「最高の未来メモ」のトップ3を決める――この軸さえあれば、世間のノイズに流されなくなる。
まとめ|
“自分で選んだ”という実感が、転職を正解にする
転職とは、勤め先を変えることではなく、人生の置き方を選び直すこと。
人生を8領域で眺め、今いちばん大切なものを確かめる。求人を見る前に「最高の未来メモ」で本音のトップ3を決める。この順番を踏むだけで、頭の中のモヤモヤは一気にクリアになります。
そして本書がもう一つ伝えるのは、どんな道を選んでも「自分で選んだ」という実感があれば、その選択は心の正解になる、ということ。キャリアに、誰にでも当てはまる唯一の正解は存在しないからです。
実際、同業他社や異業種へ移って生き生きと活躍していく会社員ほど、世間の評判ではなく、自分の軸(コンパス)をはっきりさせてから動いています。
自分の強みと希望を一言で言語化できている人ほど、希望どおりの会社に内定が決まりやすい。転職活動は本業と並行する大変な作業だからこそ、ぶれない軸が効いてきます。
今の職場に「何か違う」と感じているなら、まず転職サイトより先に、自分の本音メモから始めるのが近道です。
本書には、ここで紹介した棚卸しのほかにも、まじめな人がつまずく失敗パターンや、転職後の最初の3か月で信頼を築く方法まで、超実践的なノウハウが詰まっています。
『幸せな転職 迷わず進める「キャリア設計」の教科書』とは?
- 転職を「人生を見直す機会」として再定義する、迷わず進めるためのキャリア設計の教科書。
- 著者は1万人以上のキャリア相談に応えてきた中村浩一郎氏。まじめな人ほど陥る失敗を踏まえて解説。
- 自分の本音から始め、後悔しない選び方、入社後の立ち上がりまでを一冊で扱う実践書。
本書の主な構成
- 1転職でできること ── 人生の再設計
- 2まじめな人がつまずく理由 ── 失敗パターン
- 3気づき ── 転職活動の前に必要なこと
- 4発見 ── 望む未来を見つける
- 5選択 ── 後悔しない選び方
- 6転職後の成功 ── 最初の3か月で信頼を築く
- 7今日の選択を、最高の未来に

幸せな転職 迷わず進める「キャリア設計」の教科書
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