便利になったはずなのに、なぜか毎日に追われ、季節の移ろいを感じる余裕もない。
そんな現代人に、猫と日本の古い暦を通して「立ち止まる豊かさ」を思い出させてくれるのが、藤本宏人氏の『にゃにゃ十二候』です。
猫は、自然のリズムに寄り添って生きる達人。
そして日本には、約5日ごとに季節の表情を映し取る「七十二候」という、繊細な暦があります。
暦に寄り添うだけで、心と体が静かに整っていく――そんな暮らしの知恵が詰まった一冊です。
『にゃにゃ十二候』とは|
暦に寄り添う、猫のような暮らし
著者の藤本宏人氏は、神道や日本の暦に通じ、「ご利益」や開運をテーマに発信してきた人物。本書は、猫の生態と、二十四節気・七十二候という日本古来の暦を掛け合わせて、季節とともに生きる心地よさを伝えます。
猫は1日の大半を眠り、体温を上手に調整し、環境の変化に敏感に反応する、自然のリズムの達人。一方の私たちは、便利さと引き換えに、その自然のリズムから切り離され、心身のバランスを崩しがちです。
七十二候とは、二十四節気をさらに細かく分け、約5日ごとに季節の移ろいを言葉にした暦のこと。
ここでは、本書が伝える「暦に寄り添う暮らし」の要点を、3つの視点で見ていきましょう。
【要約】暦とともに整える
3つの知恵
知恵 01猫に学ぶ、自然のリズム
猫はよく眠り、日向で体を温め、季節の変化を敏感に感じ取る。便利さの中で自然から切り離された現代人こそ、猫のように自分の体のリズムを取り戻すことが、心の安定につながると本書は説きます。
知恵 02七十二候に合わせて暮らす
約5日ごとに移ろう七十二候に合わせ、旬のものを食べ、季節の行事を楽しむ。清明や穀雨、夏越の大祓の茅の輪くぐりなど、暦の節目を意識するだけで、毎日に小さなリズムとメリハリが生まれます。
知恵 03立ち止まることにも意味がある
暦には、水が涸れる頃や、生き物が穴にこもる頃など、「休む」「とどまる」時期も描かれている。すぐ結果が出ないことや、立ち止まることにも意味がある――暦は、そう静かに肯定してくれます。
覚えておきたい一言猫のように自然のリズムへ還る。七十二候に合わせて旬を味わい、立ち止まる時期も肯定する。暦に寄り添うことが、忙しい心を整えてくれる。
まとめ|
暦は、心を整える道具になる
猫のように自然のリズムを取り戻す。七十二候に合わせて旬を味わい、行事を楽しむ。そして、立ち止まる時期にも意味があると受け入れる。
本書が教えてくれるのは、効率や成果に追われる毎日の中で、暦という昔ながらの知恵が、心を整える静かな道具になるということです。スケジュール帳とは違う、季節に寄り添う時間の感覚がそこにあります。
実際、忙しい中でも消耗せずに働き続けている人ほど、自分なりの季節のリズムを大切にしています。旬の食材を食卓に取り入れる、節目の行事をささやかに祝う、立ち止まるべき時期は無理に走らない。
常に全力疾走するのではなく、季節とともに緩急をつける。そうした自然のリズムを暮らしに取り戻した人ほど、心穏やかに、長く力を発揮できるのです。
毎日に追われて季節を感じる余裕もないなら、まず暦に少しだけ目を向けてみてください。心の速度が、ゆっくり整っていきます。
本書には、ここで紹介した3つの知恵のほかにも、七十二候それぞれの過ごし方や、猫と暦が教えてくれる暮らしのヒントが、季節をめぐるように綴られています。
『にゃにゃ十二候』とは?
- 暦と神道に通じる藤本宏人氏が、猫と七十二候を通して季節とともに生きる知恵を伝える一冊。
- 約5日ごとに移ろう日本古来の暦「七十二候」を、やさしく暮らしに取り入れる。
- 自然のリズムを取り戻し、心と体を整える過ごし方が学べる。
本書で読み解ける主なテーマ
- 01自然のリズムの達人である猫に学ぶ暮らし
- 02二十四節気・七十二候という日本古来の暦
- 03旬のものを食べ、季節の行事を楽しむ知恵
- 04立ち止まること・休むことの意味
- 05暦に寄り添って心と体を整える過ごし方

にゃにゃ十二候 猫とめぐる日本の古暦・七十二候
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