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「やばい」しか出てこない人へ『「好き」を言語化する技術』要約・解説

資料とノートパソコンのデスク

教養・リベラルアーツ ・ 言語化・表現 ・ 要約&解説

大好きな作品の魅力を語ろうとすると、出てくるのは「やばい」「すごい」ばかり――。
そんなもどかしさに効くのが、本書『「好き」を言語化する技術』です。
著者は文芸評論家の三宅香帆氏。発行から版を重ね、30万部を突破したベストセラーです。
必要なのは、語彙力でも大量の読書でもありません。
「自分の言葉を作る」ためのちょっとしたコツ
それは推し活だけでなく、仕事で自分の考えを伝える場面にもそのまま効いてきます。

目次

『「好き」を言語化する技術』とは|
“自分の言葉”が、なぜこんなに難しいのか

SNSやYouTubeで、他人の感想が大量に流れ込んでくる時代。
面白い映画を見た後に人の感想を読むと、いつの間にかそれが最初から自分の言葉だったように錯覚する――
本書はそこに警鐘を鳴らします。人間は本質的に他人の言葉に影響され、コピーしてしまう生き物だからこそ、「自分の言葉を持つこと」が重要なのだ、と。

そして著者は断言します。推しを語る上で一番大切なのは、語彙力ではなく「自分の言葉を作ること」ただそれだけだ、と。
自分の好きを言語化することは、なぜ好きなのかを掘り下げ、結局のところ自分自身を理解することにつながります。
では、その「自分の言葉」はどう作るのか。本書の手順を、書き込み式のワークシートのように見ていきましょう。

【要約】「自分の言葉」を作る
言語化ワークシート

PROCESS 1

良かった箇所の具体例を挙げる

心が震えた点を、細かくリストアップする。言語化とは「細分化」に他ならず、感想のオリジナリティは”細かさ”に宿ります。「感動した」では足りない。どこで、どうして、と具体的に。

例(ライブ):この曲が演奏されて嬉しかった/この歌詞が改めて響いた/この演出が心を揺さぶった。
嘘をつかず、違和感を覚えた点も含めて挙げると、より深く言語化できる。
PROCESS 2

その感情の”理由”を言語化する

どんな感情を抱き、なぜそう感じたのかを探る。手がかりは3つ――①自分の過去の体験との共通点、②自分がすでに好きなものとの共通点、③そこに感じた「新しさ」。

:「このセリフが自然で、わざとらしくない」→なぜ?→「役者の解釈が合っているからか、脚本が控えめだからか」と掘ると、表面的な評価が深い洞察に変わる。
PROCESS 3

忘れないようにメモする

1・2でつかんだ「細分化した要素」と「感情とその理由」を、自分だけのルールでメモに残す。ポイントはSNSではなく、自分しか見ない場所に書くこと。他人の目を意識すると、自分だけの言葉が見つからなくなるからです。

そして最大の敵は「クリシェ」

クリシェとは、フランス語で”ありきたりな言葉”。「泣ける」「やばい」「考えさせられた」――この手の便利な言葉を禁止するだけで、その先に自分だけの感想が立ち上がります。さらに必要なのは「妄想力」。読解力でも観察力でもなく、「良かった」という地点から思考を自由に膨らませる力こそが、あなただけの感想を生み出すのです。

覚えておきたい一言言語化とは細分化。そして自分の言葉を作る第一歩は、他人の感想を見る前に、自分の感想をメモすること。

まとめ|
“自分の言葉”を持つ人から、信頼される

他人の感想を見ない。自分の言葉を作る3つのプロセスに従う。クリシェを禁止し、妄想力で膨らませる。
本書が教えるのは推し語りの技術であると同時に、「自分の感覚を、自分の言葉で人に届ける技術」そのものです。
推しを語ることは、他人を通して自分を語ること。だからこの技術は、自己理解の技術でもあります。

そして、この力が効くのは趣味の世界だけではありません。
企画書やプレゼンで「なぜこれが良いのか」を自分の言葉で具体的に語れるビジネスパーソンは、それだけで説得力を持ちます。
借り物のバズワードではなく、細分化された自分の言葉で価値を伝えられるマーケターや企画職が、社内外で信頼を勝ち取っていく――
その土台にあるのは、まさに本書の言語化の技術です。
あなたも、好きなものを自分の言葉で語る練習を重ねれば、仕事の場面でも”伝わる人”へと近づいていけます。

「やばい」「すごい」から卒業して、自分の言葉で語れるようになりたいなら、
まずは本書でその具体的なコツを手に入れるのが近道です。

本書には、ここで触れたプロセスに加え、
SNSでの発信のコツや、実際の例文、推しを語るためのQ&Aまで丁寧に描かれています。

「好き」を言語化する技術(書影)

『「好き」を言語化する技術』とは?

  • 文芸評論家・三宅香帆氏が説く、「自分の言葉」で好きを語るための実践的な技術書。
  • 版を重ねて30万部を突破。語彙力に頼らず誰でも自分だけの感想を作れる方法を提示。
  • 推し語りからSNS発信、文章まで、仕事の言語化にも効くコツが手に入る一冊。
本書の主な構成
  • 第1章推しを語ることは、人生を語ること
  • 第2章推しを語る前の準備
  • 第3章推しの素晴らしさをしゃべる
  • 第4章推しの素晴らしさをSNSで発信する
  • 第5章推しの素晴らしさを文章に書く
  • 第6章推しの素晴らしさを書いた例文を読む

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