AIに質問しても、返ってくるのは当たり障りのない答えばかり――。
「結局、自分で考えた方が早い」と閉じてしまった人は少なくないはずです。
ですが問題はAIではなく、私たちの”聞き方”にありました。
発想支援の専門家・石井力重氏(加藤昌治氏監修)の『AIを使って考えるための全技術』は、AIを「答えを出す機械」ではなく「思考を広げる相棒」として使いこなす技法を、すべて具体的なプロンプトの形で示します。
本記事では、その核心を”実際に打ち込むプロンプト”とともに見ていきます。
『AIを使って考えるための全技術』とは|
AIの回答は”答え”ではなく”出発点”
本書がまず崩すのは、「AIに聞けば答えが出る」という思い込みです。
プロンプトに対して返ってくる回答は、あくまでスタート地点。それをどう受け取り、何を重ねて聞くかで、たどり着ける場所はまったく変わります。AIが出す”情報のシャワー”を浴び、人間が連想し、想像し、最後に自分でひらめき直す――この往復こそが、機械と人間の理想的な共存の形だと著者は説きます。
著者の石井力重氏はアイデア発想の研究・実践を重ねてきた専門家で、本書は『考具』の加藤昌治氏が監修。全56の技法を、目的別に12章+αへ整理した682ページの大著です。
ここでは特に効果の大きい3つの場面を、そのまま真似できるプロンプト付きで紹介します。
【要約】そのまま打てる
“思考が動き出す”3つのプロンプト
AIが社会学者・行動学者など複数の専門家視点で案を出す。1人では何時間もかかる発想が一瞬で並ぶ。
人間の一手:1往復で名案は出ない前提で、3〜4回やり取りを重ねる。「もっと具体的に」「続きもお願い」と粘る。条件を忘れ始めたら一度整理して仕切り直す。
「売上減少」という漠然とした悩みが、「認知度を高めるには」「顧客体験を上げるには」といった解きやすいお題へ分解される。
人間の一手:転職やキャリアの迷いにも応用可。良いお題さえ見つかれば、人は解決策を考えることだけに頭を使える。AIは1人1人の”専用カウンセラー”になる。
検証不能な遠未来だからこそAIは縛りなく自由に答える。そこから「50年後は、10年後は、3年後は?」と現在へ補助線を引いて近い未来を読む。
人間の一手:一度大きく飛ばしてから引き寄せる発想法。出版・自分の業界の10年後を考えるヒントが得られる。
AIは実在しない著作名や事実をもっともらしく捏造(ハルシネーション)することがある。自分の未知の領域ほど気づけない。だから行政や大手企業の公式情報など一次情報で裏を取る。AIは思考の補助、最終確認は人間が行う。守秘義務のある社内情報の入力可否は、必ず社内規定を確認すること。
覚えておきたい一言AIからヒントを得て、最後は自分で考え直し、自分の頭で調べ直す。この一手間こそが、アイデアを”本当に自分のもの”にする鍵になる。
まとめ|
“使いこなす人”と”使われる人”を分けるもの
専門家の視点で量産させ、悩みを抽象化して解けるお題に変え、100年後から逆算する。
そして変な回答も「面白いじゃん」と受け止め、幻覚には裏を取る。本書が一貫して伝えるのは、AIは答えを出す機械ではなく、人間の思考を増幅させる相棒だということです。
実際、AIを早くから業務に取り入れて成果を出しているビジネスパーソンは、特別なプロンプト技術を持っているわけではありません。
彼らに共通するのは、AIの答えを鵜呑みにせず、対話を重ね、最後は自分の判断で磨き直す姿勢です。
企画やマーケティングの現場で「AIに使われる人」ではなく「AIを使いこなす人」になれた人ほど、同じ時間で何倍もの選択肢を検討し、意思決定の質を上げています。
その差を生むのは、本書が示す”問い方”と”受け取り方”の作法そのものです。
AIの回答に物足りなさを感じているなら、足りないのは性能ではなく問い方かもしれません。
本書には、ここで紹介した3つ以外にも、発想を発展させる・具体化する・検証する・伝える――目的別に全56の技法が、すべて実際のプロンプト付きで描かれています。
『AIを使って考えるための全技術』とは?
- 発想支援の専門家・石井力重氏が著し、『考具』の加藤昌治氏が監修したAI発想術の決定版。
- 全56の技法をすべて「実際に打ち込むプロンプト」の形で収録。特定のAIに依存しない汎用ノウハウ。
- アイデアの量産から検証・実行、未来予測まで、目的別に引ける682ページの大著。
本書の主な構成
- 序章「AIを使って考える」とは?
- 1部すぐにアイデアがほしいとき(第1〜3章)
- 2部アイデアを磨きたいとき(第4〜6章)
- 3部アイデアを実現したいとき(第7〜8章)
- 4部考えるヒントがほしいとき(第9〜12章)
- 最終章「技法」を使いこなす|ケーススタディ

AIを使って考えるための全技術 「最高の発想」を一瞬で生み出す56の技法
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