上司にも部下にも気をつかい、
なぜか職場でいつも疲れている――。
そんな悩みに答えてくれるのが、
アドラー心理学を説いた世界的ベストセラー
『嫌われる勇気』です。
本書を読むと、人の評価に振り回されず、
人間関係を軽くする考え方が手に入ります。
この記事では、本書の核心となる
4つの考え方を、
本書同様「青年」と「哲人」の対話形式で、
職場での使い方とあわせて読み解きます。
『嫌われる勇気』とは|
なぜ”人生を変えた本”と言われるのか
『嫌われる勇気』は、
哲学者・岸見一郎氏と
ライター・古賀史健氏による一冊です。
土台にあるのは、
フロイト・ユングと並ぶ心理学の三大巨頭、
アルフレッド・アドラーの思想。
アドラー心理学を教える「哲人」と、
自分に自信がない「青年」が
対話しながら進む物語形式です。
「誰でも今日から幸せになれる」
と説く哲人に、
劣等感のかたまりのような青年が、
「その考え方は間違っている」と食ってかかる。
それがことごとく論破されていくため、
読み物としても引き込まれます。
難解になりがちな思想が、
対話のおかげでスッと理解できる構成です。
国内で345万部を超え、
アジア各国でもベストセラーとなりました。
小手先の処世術ではなく、
「世界の見方」そのものを書き換える内容。
それが「世界で一番人生を変えた本」
とまで評される理由です。
人の評価が気になる人、
職場の人間関係に疲れている人にこそ、
効く一冊といえます。
【要約】哲人と青年の対話で読み解く4つの考え方
分厚い思想書に見えて、核心はとてもシンプルです。
ここでは本書のエッセンスを4つに絞り、
本書同様「青年」の問いに「哲人」が答える形で、
職場での使い方とあわせて解説します。
過去に失敗して叱られたトラウマのせいで、新しい仕事にどうしても一歩を踏み出せないんです。これは過去のせいですよね?
いいえ。アドラー心理学は、過去の原因に答えを求める原因論を採りません。「人は目的のために行動する」とする目的論に立ちます。あなたは「これ以上、評価を下げたくない」という目的のために、自ら気後れをつくり出し、挑戦しない状態を選んでいるのです。会議で意見を飲み込むのも、「批判されて傷つきたくない」という目的が沈黙を選ばせている。
効くのは、「過去にどうだったか」ではなく「この場で何を実現したいか」へ意識を向けること。原因は変えられませんが、目的は選び直せます。視点を未来に置くだけで、止まっていた行動は動き出します。
でも、お金や仕事の悩みだってあります。何もかも対人関係のせいだなんて、さすがに極端では?
アドラーは「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」と言い切ります。お金や仕事の悩みも、突き詰めれば他者との比較や評価が絡んでいる。同期が先に昇進した、後輩のほうが成果を上げている――そうした比較で落ち込むとき、苦しみを生むのは事実ではなく、他者のものさしで自分を測る習慣のほうです。
勧めたいのは、比べる相手を「他人」から「理想の自分」へ置き換えること。健全な劣等感とは、昨日の自分との差から生まれるものだからです。他者との競争から降りると、まわりが「敵」ではなく「仲間」に見えてくる。勝ち負けで消耗していた職場の関係が、協力できる関係へ変わっていきます。
提出した企画書を上司がどう評価するか気になって、ほかの仕事が手につきません。どうすれば気にせずにいられますか。
そこには2つの課題が混ざっています。企画書を誠実に仕上げるのはあなたの課題、それをどう評価するかは上司の課題。これを切り分けるのが課題の分離です。「馬を水辺に連れて行くことはできるが、水を飲ませることはできない」。見分け方は単純で、その選択の結末を最終的に誰が引き受けるかを考えるだけです。
何度指導しても動かない部下も、最終的にその働き方を引き受けるのは部下自身。踏み込みすぎないことが、かえって関係を健全に保ちます。気をもむ対象が「相手の課題」だと気づいたら手放し、自分の課題に集中する。動かせない他人の評価から下りるだけで、心は驚くほど軽くなります。
後輩の資料づくりを手伝ったのに、感謝の言葉ひとつない。こういうとき、どうしてもモヤモヤしてしまいます。
そのモヤモヤの正体が承認欲求です。「認められたい」「評価されたい」という思いを、アドラーは明確に否定します。代わりに据えるのが他者貢献――見返りを求めない、自己完結した満足のこと。共用スペースを片付けたとき「誰か見ていないか」と考えるのが承認欲求、「チームの役に立てた」で完結できるのが他者貢献です。
相手が感謝するかどうかは相手の課題。手伝った時点で、貢献はすでに完了しています。見返りという不確実なものに振り回されず、「役に立てた」という手応えだけで動ける。それが、他者の評価から自由になる、もっとも実践的な方法です。
まとめ|
人間関係の悩みから自由になりたいあなたへ
「目的論で考える」
「悩みは対人関係だと知る」
「課題の分離をする」
「他者貢献で動く」。
この4つを身につけるだけで、
職場での世界の見え方は大きく変わります。
人の評価に縛られる時間が減り、
人間関係の悩みは確実に軽くなっていきます。
周囲の顔色をうかがわず、自分の信念で決断を下せるリーダーや、社内の評価に一喜一憂しない仕事のできる人。彼らは「すべての人に好かれること」を最初からあきらめ、他者の評価という”相手の課題”に振り回されません。だからこそ、ぶれずに前へ進めます。
あなたが職場の人間関係でふっと軽くなれるかどうかは、「嫌われてもいい」と思える小さな勇気を持てるかにかかっています。それは性格ではなく、今日から選べる”考え方”です。
すべての人間関係の悩みから
自由になりたいなら、
まずは「課題の分離」を、
本書で体系的に学ぶのが近道です。
『嫌われる勇気』には、
「過去は変えられる」
「他人を褒めてはいけない」といった、
常識を揺さぶる考え方もまだ詰まっています。


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